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リコー様アトランタ工場見学の体験記

今回は商業通信号外版ということで日頃より大変お世話になっているRicoh Electronics Inc.様(以降REI様)の工場見学の体験記をお送りしたいと思います。

Ricoh様というとオフィス向けの複写機やカメラを真っ先に思い浮かべますが、E-コマース用のシッピングラベル、食品用POSラベル、航空会社の荷物用タグなどの感熱紙と感熱紙ラベルを製造されていることはご存じでしたか?とても身近な商品が製造されている工場見学は大変興味深かったです。

REI様の工場は、アトランタの市街地からUS 29を北東に車で30分程にあり、敷地内には湖と噴水がある閑静で緑豊かなところです。近くにはCounty Airportがある立地です。REI様では、トナー工場とサーマル(感熱紙)工場を実際に拝見しながら事業内容をご説明頂きました。

トナー工場は、複写機やプリンターに使われるトナーを製造されています。基本的に生産ラインに使われている機械やシステムは自社開発されているとのことで、殆ど無人で製造されているのが印象的でした。トナーの生成時には、粉が舞っているのかと想像しておりましたが、クリーンで清潔な工場内に驚きました。

サーマル工場では、E-コマース用のシッピングラベル、食品ラベルや航空会社の荷物用タグなどの感熱紙を製造しています。特殊な多層コーティングに加え、糊付けのため更に糊・剥離剤をコーティングされ、手では切れない丈夫な感熱紙として加工されます。確かにスーツケースについたタグはまず手では切れませんし、水でにじむこともありません。

それぞれのコーティングの後には熱風乾燥の工程があり、従業員の方々の職場環境に配慮して天井には巨大なパイプを配備した空調設備が張り巡らされていました。産業廃棄物の処理も自社で処理・安全な状態・リサイクルできる状態にし工場外に運びだされています。月次で検査結果を自治体に報告しているそうです。1巻が2トンほどある巨大な感熱紙ロールは一見どれも同じもののように見えましたが顧客のニーズに応じてそれぞれ異なる工程を踏んで製造されており、製造後には北部にある別の工場でカスタマイズしたサイズにカットして出荷されます。

この事業の製品は日常に溶け込んでいるため気付かれにくいのですが、人が生きていくための必需品であり、安全な食品を私たちに届ける、宅急便の荷物を必要な時間に届ける等、私たちの充実した生活を支えるために必要なインフラ商品になっています。

また、サーマル紙に熱などのエネルギーを与えることで画像を消去し繰り返し使える技術を生かして、レーザー光での書き換え可能な感熱ラベルも開発・販売を開始しています。アメリカでの環境負荷削減も進めているとのことでした。1000回まで繰り返し耐久出来る高性能な技術が既に開発されているそうです。あっという間に真っ白にリセットされる様はまるでマジックのようでした。

工場全体としてSDGs※1)に掲げる目標を定め脱炭素社会への貢献を図っているとのことで、米国現地企業との活発なビジネスだけでなく、世界基準の環境への配慮もされていることに日系企業の底力を見たような気がします。

ジョージアへの参入は、招致優遇が大きな魅力となっていますが、それ以外にもサプライチェーンやロジスティックの観点でも魅力的な地にあり、今後多くの企業や工場が参入する注目エリアの1つと言えるのではないでしょうか。また、1年を通してゴルフができるなど穏やかな気候であることや、日本人が多すぎず少なすぎず、商工会活動も活発と聞いており、自然豊かな環境で生活できるのも多くの企業を魅了している理由かもしれません。

今回の見学では、米国で大活躍されているリコー様の活躍を間近に見せていただき大変感銘を受けました。リダック商業部では、米国で活躍する日系企業のお役に立てますようますます決意を固め、日々精進して参りたいと存じます。お客様の業務を理解し、お客様に寄り添ったサービスを展開していきたいと思っております。

 

SDGs※1) :「Sustainable Development Goals」「持続可能な開発目標」。2015年の国連サミットにおいて全ての加盟国が合意したアジェンダに含まれており、世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、2030年までに解決していくための計画・目標。https://sdgs.un.org/

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